Innocent world

『innocent world』について

概要

『innocent world』（イノセント・ワールド）は、日本の人気バンドMr.Childrenによって1994年6月1日にリリースされた5枚目のシングルです。本作は、前作『CROSS ROAD』の成功を受け、約7か月ぶりに登場しました。このシングルは、1994年度の第36回日本レコード大賞で見事大賞を受賞し、メンバーはオーストラリアでのミュージック・ビデオ撮影の為、授賞式には出席できなかったという異例の事態が発生しました。その授賞式には、所属レコード会社トイズファクトリーの代表である稲葉貢一が代理で出席し、トロフィーを受け取ることとなりました。

ジャケットデザインは、当初の仮タイトル「innocent blue」を反映した青色が採用され、アートディレクターは信藤三雄が担当しました。これにより楽曲全体に特別な意味合いが添えられました。

チャート成績

リリース初週には20.6万枚を売上げ、Mr.Childrenとしては初めてオリコン週間チャート第1位を獲得しました。その後の2ヶ月間で累計100万枚を突破し、1994年度のオリコン年間シングルチャートでも1位を獲得しました。このヒットによって過去の楽曲の再評価もなされ、他のシングルもチャートに返り咲くこととなりました。最終的には193.6万枚を記録し、『Tomorrow never knows』や『名もなき詩』に次ぐ高い販売数を記録しました。カラオケでも1994年と1995年の年間チャートで1位に輝き、その人気が二年連続で続いたことも特筆されます。

2018年の5月10日には、ストリーミングサービスでの配信が始まり、2021年にはストリーム数が3000万回を突破。2022年にはついに5000万回を超え、ゴールド認定されました。

収録楽曲

シングルの表題曲である「innocent world」は、日本コカ・コーラのCMソングとしても知られています。この曲の歌詞は、恋愛ソングである「Replay」とは異なり、より客観的な視点からの社会的風刺が含まれています。また、作詞が難航した背景には小林武史からの厳しい指摘があり、桜井和寿が入念に歌詞を練り直したことが影響しています。実際、歌詞が完成したのは、帰宅途中の車内での偶然のインスピレーションによるものでした。

音楽的特徴

イントロのメロディはメンバーの田原健一の提案によるもので、歌詞の中で「イノセントワールド」という名が用いられています。ライブパフォーマンスでは、観客にサビを歌わせる形がとられることが多く、観客との一体感も醍醐味の一つとなっています。

この曲のオフヴォーカルも早々に完成したものの、当初のタイアップ計画が白紙になることがありました。しかし、メンバーはこの楽曲が彼らのキャリアに新たな道を開くものだと信じ、約1ヶ月後にタイアップが再成立したことは幸運でした。桜井はインタビュー内で「innocent world」というテーマには理想と現実の矛盾が存在することを述べています。

その他の収録内容

シングルには「my confidence song」という短いギター弾き語りの曲が収録されており、当時の社会に対する風刺が込められています。また、カップリング曲として「花はどこへ行った」が収録されていますが、オリジナルに忠実ではないためお蔵入りとなりました。テレビ出演やライブパフォーマンスでは、この曲が多く取り上げられ、Mr.Childrenの代表曲として幅広い評価を得ています。

このように、『innocent world』は音楽的な革新のみならず、歌詞やテーマにおいても深いメッセージ性を持つ作品として、今なお多くのリスナーに愛され続けています。

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